俄雨

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折り畳み傘なので、自然と距離が近くなる。 ヤバい、肩が触れそう。 僕はそう思い、尾形先輩から少し離れた。 「向井、肩濡れてるぞ?」 すると尾形先輩はそう言った。 「えっ?あ、大丈夫ですよ。 ちょっとくらい濡れたって。」 「風邪引いたらどうすんだよ! もう少しこっち来いよ、ほらっ。」 尾形先輩はそう言いながら、僕の肩を抱いて自分の方へ引き寄せた。 「ちょっ、尾形先輩っ///」 あっ、ヤバい。 肩が触れた。 いや、肩とかいう問題じゃない。 兎に角近い。 体の左側に、微かに尾形先輩の温もりを感じる。 どうしよう、顔が赤くなったのが自分でも分かる。 .
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