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俺は春日の温もりを感じた途端、堰が外れたかのように大声で泣いた。
それでも春日は何も言わずに、俺の背中を優しく叩いてくれた。
暫くして、俺が落ち着くと春日が口を開いた。
「溜込まなくて良い。
我慢しなくて良い。
今日みたいに俺を頼ったって良いんだ。」
春日はそう言って、俺の頭を優しく撫でた。
俺は春日の優しさが嬉しくて、少し笑いながらこう言った。
「お前なんかに頼るか、ばかすが。」
「全く、素直じゃないねぇ。」
春日はそう言いながらも、優しく頭を撫で続けた。
俺は、その春日の掌の温もりが心地好くて自然と笑みが零れた。
fin.
2010.0621.
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