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だが、最後の門では諦めるしかなかった。
「腰布を渡しな。」
「うー…はい…」
渡せる物は腰布しか無かったのである。
「うはっ!絶景なり!」
当然イシュタルは全裸だ。
仕方なくその姿で姉に会ったのだが…。
「何よ!自分のスタイル自慢!?キーーッ、ムカつく!」
その美しさに嫉妬したエレシュキガルは、イシュタルを冥界の奥深くに監禁してしまったのだ。
この監禁が大変な事態を招く。
いつまでも帰って来ないイシュタルに、地上は大騒ぎになっていた。
彼女が居ない事で、実りもなく、あらゆる生殖活動が止まってしまったのだ。
「身代わりを送るからイシュタルを返してくれ。」
困り果てた神々がエレシュキガルに頼んだ。
という訳で、イシュタルの代わりとして彼女の元彼ドゥムジが殺されて冥界に送られた。
「何で俺が~…」
哀れなドゥムジは冥界に身を留める事となる。
が、彼は後に、1年のうち半年だけ地上に帰る事を許されたそうな。
おしまい。
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