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少年は穴に身を隠してひたすらに父を待った。
10分。20分。1時間。3時間。
さすがに4時間経つと、まだ夕飯を食べる前だった少年の腹が限界にきていた。
ポケットの中に飴がいくつか入っているのを思い出し、少しずつ食べた。
しかしそれもすぐに底をつく。
父を待ち続けて3日目の朝、少年の意識は無くなりかけていた。眠れば死ぬという恐怖が少年の脳に映る─。
しかし、凄まじい爆発音が少年を完全に眠気から覚醒させた。
爆発はおよそ車のあった場所のような気がする。
少年は一瞬にして不安にかられた。
お父さんは大丈夫なのだろうか─。
それから30分が経ったが、少年は不安に打ち勝てず、ついに隠れていた穴を出て家へと歩き出した。
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