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空腹から足が思ったように動かない。 元の車の場所に戻るのに30分かかった。 数日前まで何度も乗った車は炎上し、大破していた。 よく見ると炎上している車の中に人がいる。 しかし少年には分かる。 父ではない。 父が設置した爆弾車に乗った誰か、だ。 少年は構わず家へと歩を進めた。 が、行く方向から黒い車が近づいてくる。 少年はハッとした。 あの車は……! しかし、少年に選択肢はなかった。 隠れる場所もないのでその場に立ち尽くす。
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