星空 動揺

3/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「…バカみたい」 何を今さら思い出してるの… 小さく呟けば、私は教室の窓から覗く青空を見上げた。 「誰がバカなんだ?おい?」 そう言ってそいつはニカリと笑った。 「………」 とりあえず、無視。 コイツには関わる義理も価値もないから。 「…ったく、また無視かよ  おい夕(ユウ)、まーた、  女王様はご機嫌斜めだぜ?」 奴はそう言って、夕を呼んだ。 「水沢(ミズサワ)、  無視をするのはダメだよ?」 自分の名が呼ばれ、注意されているのはわかっている。 けれど、答えるのが面倒だった。 「………」 だから無視を続けた。 「ちょっと、水沢ってば…」 夕は飽きれたように肩を竦めた。 「…別に、構わないでしょう」 ぶっきらぼうにそれだけ言えば、私は席を立った。 「水沢、授業、始まる…」 後ろで夕は色々言っていたけれど気にせず私は飛び出した。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!