80人が本棚に入れています
本棚に追加
――死神領のとある森
ローブを身にまとった子供が死神軍兵に囲まれていた。
「ターゲットを確認。捕獲作業開始!」
「やだなぁ。捕獲って……どーぶつみたい」
子供は危機的状況にも関わらず、ニコニコしている。
その笑顔に対し、苛立ちを隠せない死神が武器を構えた。
「うるせぇ!大人しく捕まれ!」
「いやだよ」
そう子供が言った瞬間だった。
武器を構えた死神の首を、子供は鎌を使い、一瞬で落とした。
それに驚いた死神が青ざめた。
「シニガミがひとーり」
そう言い、子供の顔はニヤリと不気味な笑みを浮かべる。
そして子供は鎌に付いた血を振り払った。
「こいつ……ただ者じゃねぇ!」
「あの笑み、怖すぎるっ!」
兵達は後ずさりした。
「はやく逃げ……」
「にがさないよ」
子供の右手が光を帯びると、結界が張られた。
逃げようとした兵は、その結界にぶつかった。
「ぼくをとらえようとした。そのツミは大きいよ」
また子供の近くにいた死神の首が落とされる。
「シニガミがふたーり」
「ぎぃやぁぁぁあ!!」
「うるさい」
叫んだ死神の首も落とされた。
「シニガミがさんにーん――」
最初のコメントを投稿しよう!