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事件が起こった。
「ねぇ、高野君。ちょっとでいいから付き合ってくれない?」
俺にとって人生初の告白は同じクラスで可愛いと人気の中村涼からだった。
時は昼休み。
皆からの視線が痛いほど刺さっている。
「え?」
何が起きているのかさっぱりで、思わずフリーズ状態になりかけている俺に、中村はだからーとまた同じ言葉を繰り返した。
「付き合ってって言ってるの。」
これは中村の罰ゲームなのではと思い、助け船を求め隣で一緒に昼飯を食っていた大西に目線を泳がせた。
こいつ使えねぇ。
でかい身体がご飯を食べようと屈んでいて、そのまま口を開け、固まっていた。
はぁ、と心の中で盛大にため息をはき、もう一度中村に目線を戻した。
だめ?といいながらちょっと首を傾げている中村はそりゃもう可愛かった。
よく考えればたとえ罰ゲームであったとしても俺にデメリットなんて何にもない。
俺は高一の頃から高二の今現在まで中村に叶うはずない恋心を抱いていたし、ましてや俺みたいな地味メンと呼ばれる奴に一生こんな可愛い彼女が出来ることなんてないだろう。
「お、俺でよかったら!」
緊張して声が少し大きくなってしまったが中村さんはさらに大きな声で、
「本当!?ありがとう!」
と言ってくれたので良しとしよう。
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