第一幕「覚醒」

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「ふふっ・・・・。まーだかな~。」 一人の男が、いかにも楽しそうに、いまかいまかとわくわくした表情を浮かべる。 たが、その男は普通の男とは、見るからに違う。 整ったその容姿は、黒い髪に混じる赤毛を引き立たせ、瞳は金色に輝き、その周りを黒い星のタトゥーが飾る・・・。 妖しくも美しい。 が、彼はまさにピエロのような格好をしていた。 「マスター。またここへいらしていたんですか?」 マスターと呼ばれた男は、ふり返る。 「ふふっ、ファントム。来たの?」 ファントムと呼ばれたその男は、静かにほほ笑み、メガネをうっすらと上げる。 純白になびく長い髪は一つに束ねられ、紳士的な気品は、知的さをものがたる。 「ええ、あなたを探しに・・・。そんなに見つめても、早くは覚醒しませんよ?」 マスターが眺めていたそれに、そっと手をおく。 (ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ) 「でも、こんなに鼓動がひびいていると、わくわくしてね。」 うっとりとマスターはそれを眺める。 「1000年も待ったんだ。もうすぐだよ、イヴ。」 二人の悪魔が動き始める。それに気付く者は、誰ひとりいない。 運命の輪も・・・ ゲームもすべてが動き動き出す。 [コトン・・・] 中の物がわずかに動く。 マスターやファントムが眺めるそれは、巨大なタマゴ・・・・・・。
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