あの時の二人は

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『この前、須藤さんに告白されてびっくりしました。須藤さんが誰かに似てる…そう思うはずです お互いサングラスかけて、ビール飲んで同じような経験してあの場所にいた。俺はなんだか安心しました。俺だけじゃないんだな~って…あの時須藤さんは泣いてた でもまた新しい恋をしてこの人も前に進むんだろって思ってました そしたらあれ以来、恋愛が怖くて好きな人もできない…なんて聞いてびっくりしました。とてもデリケートな人で、可愛い人だと思いました 俺はあれから何回か恋愛したり、勉強で北欧にいったりアメリカいったりしてましたから、昔の事はふっ切れたんです しかも須藤さんは…あの時一度だけあった俺の事もずっと心配してくれてた ありがたいと思いました。今、俺はこうして元気にやってます!みてください、成長しました』 私はしばらく、頭がパニクっていた。恥ずかしいやら、いやいやとにかく恥ずかしい 『日曜日にあのベンチに来たのはわざとです。前にあったとき須藤さんがよく来るって聞いて』 『なんだぁ…よかった。ちゃんと恋愛して仕事もできて、生活できてたんだ。立ち直らなきゃいけないのは私の方かも』 『まだ前の人好きなんですか』 『そうじゃないの。前言ったみたいに恋愛が怖いの…でもね、この前友達が失恋して、いろんな話ししてみたの。ホントにいろんな話し…そのあとで、私が出した結論が…頑張って恋愛してみようかなってこと。いくつになってでもいいから好きな人できたら、本気になろう 好きになってもっと前に進んでみようかな~って。私は今32だけど、5年後10年後でもいいから、人好きになってみよう、恋愛って今の私にはすごく価値のあるものかもしれない』 『そうですよ…だからもうあの公園でぼんやり過ごすんじゃなくて、好きなように休日楽しんでください』 好きなようにか…でも私にはあれが日課になっていて、気持ちいいものだったんだよね 笑っちゃうけどあのスペースは私の縁側だったのかもしれない
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