あの時の二人は

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『結婚なんかも考えてるんですか?』 『それは全然ないかな…私的には全くイメージわかないし、ビジョンがない。でもやっと恋愛できて、ああ、この人とならってその時に思えばわからないけどね』 私は泡盛をグイッと飲み干した 『私は何やらせても崖っぷちにならないと能力発揮できないの…でも恋愛は真っ逆さまに落ちてだめになるタイプなんですよ…それわかってるから怖い』 『大丈夫ですよ。今の意気込みならきっと上手くいきます』 『意気込みすぎてもね、まあのんびりやります』と私は笑った お店をでて、栗本さんはまた駅まで送ってくれた 『今日はごちそうさまでした』 『いえ、とんでもないです。明日からまたよろしく!』 『こちらこそ、あ、須藤さん』 『なんですか?』 『あなたはステキな女性です。俺はあなたみたいな人が大好きです、だから…あの…きっといい人できますから…』 『ありがとう!』そんな台詞言うタイプの人じゃないのに、嬉しかった 私は手を降って改札口を抜けた 電車に乗ったら足が少しぐらついて、座った 泡盛飲み過ぎだかな 少し栗本さんに驚かされたからかな 駅に着き、改札口をでると、時任君にバッタリ会った 『なんだよ、顔赤いぜ』 『アハハ、泡盛飲んで来たからからかな』 『飲ん兵衛だな』と時任君が笑った 『今日はこのまま爆睡かもね。時任君はどこか寄ってきたの?』 『お袋のとこ。来週退院するらしいよ』 『それはよかったね。お祝いしてあげなくちゃ』 『そうだな。兄貴の嫁さん、しばらくは大変だろうけど』 『家族が無事に帰ってくるなら大丈夫だよ、ね?』 私は時任くんの肩に手を伸ばして、ぽんぽんと叩いた
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