恋の予感と最悪な再会

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恋の予感と最悪な再会

下北沢の仕事が終わったのは8月の頭だった オープン前日、関係者のパーティーが行われ、私もオシャレしてパーティーに出た 栗本さんはオシャレなスーツを着こなして、いつもと全然違う雰囲気だ 私は関係者一人一人に挨拶をしてまわった その中に見覚えのある人が居た 相手も私に気付いたみたいだ。私は普通に彼に挨拶をして、場所を変えようとした 『マヒルは全然変わらないね。髪型は前巻き髪だったけど…綺麗なストレートだ。活躍してるみたいでなによりだ』 『ありがとうございます。これからもよろしくお願いします』と私は頭を下げた 5年前、私をどん底に落とした男…空間デザイナーの有間シュンである まあまあよくも声かけれるもんだ… なんでもオーナーの親友らしい… 相変わらずキザで、今みるとムカつくくらい気取ってる 自分がなんであんなに夢中になってたのか…よくわからなかった 『須藤さん、どうかしたの?』と栗本さんが声をかけてくれた 『ううん、大丈夫。みんなに挨拶して疲れただけだから』 『少しそこに座って休んだら?』 『ありがとう、そうします』 私は庭に近い椅子に腰掛けていた シャンパンがとても美味しかった するとまたあの男がやってきて私に話しかける 『でもマヒル、綺麗になったよ。これから抜け出して、飲みにいかないか?』 『私は今晩、仕事で来てますから。それと話しかけてくるのやめてくれますか?迷惑です』 『なんなんだ!その言い草は…』 『言葉の通りです。私にも立場ありますから』 『僕に夢中だったくせに…!僕が女にしてやったんだ!』 『…そうですね。でも私はあの時の私じゃないんです。いつまでも5年前の女だとは思わないで下さい』 私はいきなり殴られ、シャンパンをかけられた 殴られた衝撃で椅子から転がり落ちた
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