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『たかがこのカフェ任されただけでいい気になるな!』と私を蹴った
オーナーが気付いて彼を止めた
『どんな理由があっても女の人に手をだすなんて最低だ!』栗本さんが私に駆け寄り、有間にそう言った
騒ぎを聞いて、社長がやってきた
『どうしたんだ、大丈夫かマヒル!』
『大丈夫です。私は何されても負けませんから!崖っぷちの女だから怖いものなんてありませんよ』と有間を睨んだ
『有間さん…いくらなんでもオープン前日にこんな事するなんてスキャンダルものですよ、ねえ?オーナー』
『あ、ああ!有間、今日は帰ってくれないか』
有間は渋々帰ると、オーナーは私に謝ってくれた
『こちらこそお騒がせしました』
『酒癖悪くてね…最近困ってるんだ』
あの人でも酒に走ることもあるんだ…なんだか可哀相に思えた
『須藤さん、ホントに大丈夫?唇切れてるし、お腹蹴られたろ?靴型みたいなのついてる』
『せっかくのワンピース台なしね』と私は苦笑いした
『マヒル、今日はもう帰るんだ。タクシーで帰れ、経費で落としとくから』
『ありがとうございます。じゃあ…帰ります。ホントにすみませんでした』と私は社長と栗本さんに謝った
あ~あ…お気に入りでいつも綺麗に手入れしてたワンピースなのに…明日クリーニング出さなきゃ
タクシーの中で、殴られた痛さよりワンピースの心配をした
アパートの近くに停めてもらい、とぼとぼ歩いていた
『須藤、どうしたんだ?』と声をかけてきたのは時任君だった
『お前…殴られたのか?唇…』
『うん、ついでにお腹も殴られた』と私は笑った
『部屋、入ってもいいか?とにかく俺の肩に掴まれよ!』と彼は肩を貸してくれた
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