恋の予感と最悪な再会

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日曜日、何年ぶりかに海に泳ぎに行った 栗本さんの青いマーチにのり湘南へ 『私水着なんて久しぶりだよ…もう若い人にしたら流行遅れ』 青いチェックのセパレーツの水着だった 『すごい似合ってる。見せたくないよ…ホントは』 『修二は今風のだね。意外と胸板厚くて…なんか恥ずかしい…思いだす』 『ほら、泳ぎにいくよ!』 この日は恋人達らしく一日楽しんだ 遊び疲れて私は早めに家に帰った。日焼けがひりひりして、銭湯にはいかず温めのシャワーを浴びて、焼けた肌に日焼け用の化粧水をつけて肌を冷やした 焼けた分、喉も渇き私はいつもの居酒屋に行った 『生ビールお願いします!』と大将に入るなり頼んだ 渇いた喉に気持ちいい 『よお』と肩を叩かれ、『痛い!』と叫んだ 『なんだよ、よく焼けてんな。海行ったのか』と時任君は笑った 『もう…そうよ。何年ぶりかに泳いできた』と私は笑った 『なんか充実した顔して。彼氏でもできたか』 『らしき人はできたかな…』 『らしきは失礼だろが。ちゃんと彼氏でいいじゃないか』 『いまさら、なんか照れがあるのよ』 時任君はビールを飲みながら笑った 『今日はお祝いだ。飲むか?』 『うん、あと小松菜のお浸しと、カレイの煮付け…タコ酢お願いします』 『頼むね~。じゃあ俺は焼鳥焼いて、適当に』 『ねえ、あとからまたコーヒー飲みにきなよ』 『う~ん…それはやめとくよ』 『なんで?』 『お前に彼氏できたから』 『それは別よ。時任君は同級生で友達だもん』 『お前が言うようにはこれからいかないの』 『私達もう大人だよ?恋人と男友達の区別はついてるよ』 『トラブルの元。いいじゃんか、ここでこうやって飲むのもさ』 時任君は時任君で私に気を使ってくれている 彼は男らしくて優しい人だ
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