恋の予感と最悪な再会

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自由が丘のプレゼンには有間の会社も加わっていた あの人が本気だせば…私は少し怖かった 内容もしっかりしてたが、かなりセレブ中心に考えられたプレゼンだった 私達は自由が丘にすむ若い奥様をコンセプトに、プレゼンしてみた 少し家事のない合間にママ友達と過ごす空間…贅沢でありながら、入ってきやすい。そんな思いをプレゼンにぶつけてみた 結果は後日になったが、私達的には満足いくものだった 帰りに声をかけられた 『マヒル、この前は悪かったね。謝る、ごめん』 有間だった 『木下君、先に帰っててくれる?』 私は車のほうに近づいていった 『いえ、私も生意気な口ききましたから…』 『もうお昼だろ?そこの店でランチでも食べていかないか?』 『まだ仕事残ってますから…すみません』 『マヒル!うちの会社にこないか?うちで働きなさい。給料だっていまより出す!どうだ?』 彼の顔が歪んで見えた… すごく嫌だった。昔の恋人が仕事に関わってきたり、私を利用しようとするのが… 『ごめんなさい…そんな気持ち、全然ありませんから。私の事はほって置いてください…』 『5年前の事、まだ怨んでる?』 『まさか…あの時はしばらく泣いて済みましたよ。今はいい恋愛してます。背伸びしなくていいような』 彼はしばらく黙ってたが、『今ならいい付き合いできると思ったんだがな』と言い残し、車で去って行った いい付き合い… あの人のいい付き合いってどんな付き合いなんだろう。酒に酔ってたとはいえ、私を殴ったくせに…私がまだ惚れてるとでも思っていたのかな 私はため息をついて歩きだした 今夜は栗本さんのマンションに泊まる日だった
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