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私は栗本さんより早く起きてマンションを出た
そしてアパートに戻り、シャワーを浴びて着替えをした
まさかの栗本さんの言葉に、私は涙が出るばかりだ
有間にまたどん底に落とされた…
今回の亀裂は大きかった
それだけ私の心は傷ついた…
でも会社では全力投球しなきゃ!
まだ残暑の残る9月に私は会社と現場を何往復もした
そして10月に入り、店の内部がかなり出来上がった
そろそろインテリアの事も考えなくてはならない
木下君と私は、オーナーと何度も打ち合わせをして、アリスの家具にも通った
最近…栗本さんと少し距離が出来てしまった
会うとすぐに喧嘩になる…この前は私が入社したキッカケの話しで喧嘩になった
そんな偶然信じがたいと言われ、私と言い合いになった
これからまた仕事していかなきゃいけないのに…
ホントに私は崖っぷちにいた…
そんな時期だった。私は設計の事で時任君に会いに、T建設を訪ねた
『すみません、時任は葬式のため明日まで休みです』と社員の人が言った
『誰か亡くなられたんですか?』
『時任さんのお母様です。ガンが転移していて…』
時任君…私と仕事しだしてから、お母さんで大変だったんだ…
なのに私、自分の愚痴ばっかり聞かせて…話し聞いて欲しかったのは時任君のほうだったのかもしれない
私は電車にのり俯きながら時任君を思った
私の問題なんて、ホントにたいした事じゃない
何悩んでるんだ…少し気持ちがすれ違ってるだけだ。私が素直になればいいだけだ
なのに…私は栗本さんより二つも年上だよ?いい大人が何やってんだか
私は仕事が終わると栗本さんのマンションに行った
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