ホントの崖っぷち

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呼び鈴が鳴った 眠っていた私は目を擦りながら玄関を開けた 『どうだ?』立っていたのは時任君だった 『今日はホントにありがとう。助かりました』 『これ、弁当食べろよ。そこのコンビニで買った奴だけど…明日も休むのか?』 『うん、社長が休めって。ゆっくりしようと思う、ねえ上がって』 『いや、やめとくよ。またゆっくりくるから。弁当食べてスタミナつけろよ』 『ありがとう』 時任君が帰ったあと、私はお弁当を開けた 1000円もする幕ノ内じゃない 時任君はりこんでくれたね。今度ご飯奢らなきゃだめだなぁ… 時任君が私にお弁当なのがなんか笑えてきた わざわざルパン三世にお弁当くれるなんて 熱は微熱になり、翌日には下がっていた。もう一度病院に行き点滴をしてもらった 酒屋で大将に日本酒を買って、自分用に飲んで下さいとお礼にも行った 後は部屋で薬を飲んで寝ていた 明日は頑張れる 二日分を取り戻すぞ、と気合いを入れた 会社でまずは社長にお礼をいいに行った 『迷惑かけました』 『大丈夫なのか?熱は』 『すっかりです。二日も休みもらったの久しぶりですね』 『有給休暇、消化してくれよ』 『また彼氏できたら消化しますよ』と私は笑った 『一緒に仕事してるの辛いだろう?』 『知ってたんですか?』 『付き合ってたのはな。別れたのは今知った』 『また頑張って作りますよ。私は強い女ですから…恋愛にはマシュマロの心の私だったけど、今は恋愛にも強くなりましたから』 『あんまり無理すんな。なんでもほどほどにだ』 社長はタバコを消しながら私に言った
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