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アリスにまた顔をだして、自由が丘の店のインテリアをチェックしていた
『内装、かなり薄いピンクにして、それにグリーンのラインいれて、心理的に落ち着く内装になるんです』と私が説明した
『じゃあ柔らかい線の木の家具がいいですね』と栗本さんが言った
『ですね、すごく和むし、温かみがあります』と笑った
一通り決まって帰る時あの男に会った
ちょうどビルの入口だった
『そこでお茶でも飲んでく?』と言われ私は頷いた
『やっとハイと言ってくれた』と有間は笑った
喫茶店で私達はしばらく無言だった
『あの…誤解してますよね。いろいろ』
『事実だろ?』
『私はあなたが好きでしたよ。別れるまで…ホントに好きでした。無理してブランドの服やバック買ったり、背伸びしていつもあなたに会いました』
『そのお金は社長に出してもらってたの?』
『社長は…早朝で働く私に声かけてくれました。うちで働いてみないかって…
私勤めて3日で会社が潰れて、早朝のコンビニで働いてたんです。社長はその時のお客様で、よく話ししてたんですよ…
だから命の恩人って言っても過言じゃないです
泣くほどしごかれましたけどついていきました。愛人関係なんてあるわけないじゃないですか…
私と栗本さんはダメになったけど…また縁があればと思います
有間さん、前みたいな自信満々で、少し俺様な人に戻ってください。今の有間さん、何かに怯えてるみたいです!』
私はそれだけ言うとコーヒーに少し口をつけて店を出た
どのくらい伝わったかわからないけど、もう話す事はないと思った
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