恋はやっぱりマシュマロ

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お正月、お節を食べて近くの神社に初詣に行った なんとなく真っ直ぐ帰れなくて、久しぶりに井の頭公園に行った 寒かったけどあのベンチに行き、あったかい缶コーヒーを飲んだ なんとなく涙が出た 私はマフラーで顔をくるくる巻いて涙を抑えた 缶コーヒーを持つ手が震えた 物分かりのいい女ぶって、なんなんだ私は…ホントは別れたくなくて、辛くて、こんなになっちゃうのに… 私の心は弱い…弱くて溶けた砂糖のようだ…そのまま流れて元にも戻らない ここにきたら栗本さんに会えるとでも思ったの? 大馬鹿野郎! 今世紀最大の馬鹿女! それが須藤マヒルであった… 空き缶を捨てて 私は帰ろうとした。白いものが私の前にちらついた… 粉雪だ… 栗本さんのいる場所にも降ってるだろうか? 駅について電車を待っていた ふと、横に列んでいる人を見た 『修二…』 『マヒル…何してるの?』 そのまま私達は電車に乗り込んだ 『井の頭公園に行ってたの…』 『あのベンチ?』 『違うよ、なんとなくうろうろしてたんだ』 『寒いのに…雪降ってたろ?』 『修二は友達のところ?実家の長野には帰らなかったんだ…』 『うん、めんどくさくて家でごろごろかな』 『同じだね』と私は笑った 電車の中は着物を着た女の子がたくさんいた 『初詣もう行った?』 『ここにくるまえに。近所の神社に行ったよ。修二は?』 『俺も。御神籤は大吉だった』 『いいね。私なんて末吉だよ…今年もぱっとしない年なんだよね』 『そんな事ないさ、自由が丘の店もあと少しだし、計画通り進んでる』 違うよ…栗本さん。私の人生の事だよ
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