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「……………………」
アタイは目を開けた。
自分の目に映るのは真っ白な天井。
「……夢か。久しぶりに見たな……」
どれくらいぶりだろう……あの頃の夢を見るのは。
友人に絶縁されてから1年。
アタイは他に友を作る事なく、仕事だけで生きてきた。
友を作る事なく……って言ったけど、実際は作れなかった。
人を信用する事をしなくなったアタイは、仕事の共演者としか関わる事がなかった。
……生い立ち上、元々人を信用出来ていなかったアタイは、更に人と距離を置くようになってしまっていたのだ。
“ピンポーン”
来客を告げるチャイムが鳴った。
昔の嫌な思い出を、夢で再現されてしまったアタイは、重ダルい体を起こす気力すらなかった。
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