2人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・分かりました。お話、お伺いしましょう」
榊は、暫らく山下を品定めするように見つめていたが、ポツリとそう返答をする。
「よし、じゃぁこっから先は俺と俺の信頼する部下・・・つまり、アンタが犯人じゃ無いと心の底から信じてるヤツしか知らない話をする」
「・・・・・・」
「アンタ、極秘情報秘守機関って知ってるよな?」
「極秘情報秘守機関・・・通称AISE<アイセ>。ボクの勤めていた所だ」
山下の問いに榊はそう云って、頷いた。
「そう・・・そして、奴等が開発したのは『タイムマシン』。設計と出来たタイムマシンの一番最初の被験者はアンタだ」
其処で一度、煙草の煙りを吐き出してから山下は更に言葉を続ける。
「・・・だが、タイムマシンによる危険性を知ったアンタとアンタの助手は、例の事件の日にタイムマシンを解体し、アンタは設計図をどっかにやった・・・」
「・・・・・・」
「遠回しに云うのはよそう。単刀直入に云う・・・アンタにはタイムマシンをもう一度造って貰いたい・・・設計図、何処へやった・・・?」
「・・・・・・」
何故だ?
何故この男はタイムマシンの事を知っている?
『アレ』に関する情報は、一切流出して・・・否、させていないハズ・・・。
幾ら考えても出てこない答えを求める榊の頭は混乱しだす。
山下と名乗るこの刑事に、榊は解いていた警戒心を再び出し始めた。
☆
最初のコメントを投稿しよう!