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あの子の机に無造作に置かれていた一冊のノート。
表紙にはあの子の字で『ゆめにっき』と書かれている。
これは、きっとあの子にとっての最も隠すべきプライバシーなんだろうけど、この先生ならきっと大丈夫だろう。
あの子の周り――それは本当に小さな、小さな世界だが――の唯一の大人。
周りの他の誰に向けるのとも違った"好き"をあの子は先生に向けていたし、先生も同じだった。
まあ、年齢だの立場だの世間体だの、色々なことから、別れが来るまで――別れが訪れてでも――それを相手に伝えないことは明白だったが。
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