始めに

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『裕?..(ユタカ)』 バスを待つ沈黙の時間 私は耐え切れず裕に話しかけた。 『ん?』 『あっち行ったらまず何すんの?』私は少しずつ速まる鼓動を悟られないよういつもどうりに振る舞った。 『そうだなぁ~とりあえずアパートでごろ寝だな、』 裕はいつもの用に笑いながら答えた。 『なにそれ~、裕はすぐ寝るんだから。』私も裕のいつもの笑顔を見て少しほっとして笑った。 でも裕の笑顔を見たら、私の心の中で何かがギュッと苦しくなった。 裕が夢の為に地方行きを決める前 私たちは恋人だった。 でも今はただの友達。 裕は私の、お互いの為だと別れを切り出して来た。 本当は納得なんか出来なくて.. でも、夢に向かう姿を1番近くで知っていた私は「行かないで」なんて言えず.. それに、遠距離恋愛と言う選択も 少し前からすれ違い始めた私達には それを選択する自信もなかった。 それでも私はどこかで何か期待していた、それは今も。 . . . バスが来る時間になった しかしバスは一行に来る様子がない。
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