帰宅

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「あなたたちがいなかったら誰も救われなかった。だから、ありがとう。私の生徒たちを…助けてくれて」 ちゃんと、イジメていた生徒たちを含めて“助けて”くれたことにお礼を言う鈴は変わったのだと思う。 「本当に、信じられない…。二人とも…ありえないことばっかよ」 口元を覆う鈴を拓馬が心配する。 「すず先生?泣いてるの?」 「ううん、泣いてなんかない!じゃ、帰ろうか拓馬くん」 鈴に手を差し出され、拓馬はその手を照れながら取る。 初めてのことだった。 「じゃあな、拓馬!またな!」 「バイバイ隆也!またね!」 それはまた遊ぶ、友達同士の約束の挨拶。 大きく二人で手を振った。
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