0人が本棚に入れています
本棚に追加
「む?何だ?お前ら」
目標である男は、明らかな敵意を持ってこちらを目視する
「今からお前を始末する者だよ」
「俺を始末?たかが人間に魔術師であるこの私を殺すことが出来るとでも?」
魔術師
それは、人間が奇跡を起こすために魔術という力を利用し、奇跡を起こした者
魔術師は、自らの身体に魔術の源である自然の力を取り込み、変換した後
魔術を発動する
自然の力を取り込んだ人間は、それまでとは比べ物にならないほどの力を得る
それらは、すでに人間としての枠から逸脱しており、人間ではなく人間以外のものになる
たとえそれが、人間の形をしていようが、人間ではないのだ
あの男も、魔術師ということはすでに人間ではない
俺たちは、そのような者を相手にすることに対して特化している部隊だ
今回が初仕事だが、部隊の皆それぞれ一個小隊に匹敵するほどの化け物
ゆえに魔術師一人に敗北するはずがない
「あぁ俺たちは、そのための部隊だからな」
「若造が片腹痛いわ!」
男が、指を鳴らす
すると地面から土で出来た人形が出てきた
「さらにおまけだ!」
男が、さらに指を鳴らす
今度は、男の周りに散乱していた死体が起き上がり始める
周囲の死体が、全て起き上がると土の人形と一緒にこちらに向かって
歩き始めた
「ゴーレムにリビングデットとは、趣味が悪いな」
真樹が吐き捨てるように言うと、近くの人形や死体をナイフで切り始める
それを合図に皆が自分の武器で応戦し始める
「お前ら!ここは任せた!俺は本体を叩いてくる」
「任せておけ!」
真樹からの頼もしい返答を聞きながら
日本刀を鞘に納めたまま俺は、人形と死体の群れに突っ込む
次々を襲い来る人形と死体の群れ
俺はそれを、切り伏せてゆく
他の人から見たら、その光景は、青年が日本刀を鞘に納めたまま走っているだけで、敵が勝手に倒れているだけに見えるだろう
しかし、実際は、瞬時に刀を抜き鞘に戻す
居合いという行為を高速で行っている
それの動きは、人間のそれを遥かに逸脱しており
通常の人間では不可能な動きだった
最初のコメントを投稿しよう!