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「お前・・・人間じゃないな?」
魔術師の男が言う
「失敬な。一応外見は人間だぞ?」
「外見だけで言うのならば、不愉快だが私だって同じだ。」
すでに、俺は男の前に立っていた
「確かにそうだな!」
言い終わると同時に刀を抜く
そして次の瞬間
刀は鞘に収める
男の姿は腹から二つに裂け
紙のようにゆらりと漂う
「やはり居合いか。」
切り裂いた男の後ろから
切り裂いたはずの男が現れる
「やはり一筋縄ではいかないか」
「当たり前だ。そう簡単に殺される私ではない」
そういうと男は、右手を顔の位置まで挙げる
「ハンドソード」
男が唱えた瞬間
右手が両刃の剣に変化する
「簡単に殺されるなよ?小童!」
右手を振りかざし、こちらを攻撃してくる
俺は、後方へ飛び回避する
そして回避すると同時に刀を抜く
キンッ
と甲高い音と共に刀を抜く手に負荷かかる
男の右手と刀が鍔迫り合い、刀が停止していた
「居合いといっても刀が鞘に入っていなければ、出来まい!」
男は正気とばかりに、右手で刀を弾き、突きをしてくる
それを左手にもった鞘で流し、回避し、距離をとる
「確かに、居合いは鞘走りにより加速させて刀を抜く。しかし、加速させる必要がない場合は、どうだと思う?」
左手に持った鞘を地面に落とす
そして、抜き身の刀を鞘に納めるように、構える
「鞘に刀を入れないで居合いをするつもりか?鞘に入れた状態での居合いを防がれたというのに、それよりも遅い太刀筋で勝てると思うのか?」
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