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「おら!」
真樹が両手に持ったナイフで襲い掛かる
男は、真樹のほうを見ずに真樹に向かって手を振る
すると、両手のナイフは男には当たらずに宙を舞っており
ナイフには、先ほどまでついていた両手が柄についていた
「な!?」
驚きの声を上げた瞬間
真樹の、胸には風穴が開いていた
「ま・・・真樹!?」
こうも簡単にやられるとは思ってもいなかった俺たちは
一瞬動きが停止してしまった
これがいけなかった
男は、瞬時に光二のところまで、駆けていた
「こう・・・」
光二と声をかけようと光二の方向を見たが、そこには首が地面に転がり、残された身体が崩れてゆくところが目に入った
「光二!」
光二の下に駆け寄りたかった
しかし場はそれを由としなかった
「晴彦!」
彩香が駆け寄ってくる
単独でいるより、集まったほうが良いと判断したのだろう
「真樹と光二が!」
彩香が目に涙を浮かべながら言う
「ああわかってる」
男を、にらみつける
黒い外套を羽織、両手には血
鋭い牙に白髪
これほど異質なものを見たことが無かった
あふれ出しそうな恐怖心を抑えながら、彩香に言う
「お前は、後方で援護してくれ」
それだけ言うと、鞘を捨て、男に駆け寄る
純粋な身体的な能力では、さきほどの真樹と光二の死に方を見ると
明らかに、差が有る
故にここは、短期決着の必要があった
先ほどの魔術師を殺したときは、17つの剣戟だったが
今回はそれを上回る剣戟を放たなければ勝てない
今までの最高回数で22つ
しかし、それでも足りない
22つという記録を超すことしか生き残るすべはないと思った
故に、22つという壁を越えることを絶対として刀を振る
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