第二話。

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放課後、生徒会が終わって帰ろうと思った時、 外は土砂降りの雨。 「天気予報雨降るとか言ってなかったしぃ~!!!マジうそつきッ!!最悪ッ!!!」 天気予報が外れた事にブツブツ文句を言い始めるアンナに、おれはかばんからいつも持ち歩いてる予備用の折りたたみを渡す。 ま、お袋がいつも念のためっつって入れてんだけど、こういう時に役に立ったな。 「・・・何よ。」 「傘、ねぇんだろ?おれの貸してやるから。」 「・・・アンタはどうすんのよ。ずぶぬれになるじゃない。」 「おれはそんなやわな鍛え方してねぇから大丈夫だっつの。いいから早く受け取れよ。それともずぶぬれになって帰んのか?」 「嫌よッ!!!!」 そう言ってアンナは慌てておれの手から傘を奪い取るようにして取った。 「何よこの真っ黒い折りたたみ傘ッ!!センスないッ!!!」 「あぁッ!!!?文句言うなら返せゴルァ!!!」 「何よ!!頼んでもないのに渡したのはアンタでしょッ!!・・・・でも、助かった・・・ありがと。」 「お、・・・・ぉう。」 傘のデザインで文句を言い始めたアンナだけど、最後は小声でぼそっとおれに聞こえるか聞こえないかぐらいの大きさでそう言った。 アンナのこういう所、可愛いなって思う。  
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