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私の家にくるなりいきなり体を震わせて水滴を床に落とす狐
「おっおま!」
「ふぅっ、気持ち悪かった…」
「…はぁ」
「あの、ありがとうございます」
人間らしく頭を下げてお礼を言う、…そういえばまだ名を聞いていなかったな
「なぁお前名前は?」
「人名(ひとな)だったら、小野妹子といいます」
「ふぅん…妹子ね。私は太子だよ、よろしく妹子」
そう言って差し出した手を妹子は首を傾げながら
握りかえした。まぁ悪さするようにも見えないから家に置いてても構わないだろう、
そんなことを考えながら私はテレビのスイッチを押した。
画面に映像が映り音が出た瞬間妹子は飛び跳ねる
「は?」
フ―フ―と犬歯を出しながらテレビを睨みつける妹子、1つだった尾が2つに増えている
「なんですかっこれはっ」
真剣そのもので聞いてくる妹子。私はなんだかおかしくなって笑ってしまった
「あははっテレビだよ」
「テ、レビ?」
「そっ」
「…でも急に光って」
不思議そうな妹子があまりにも面白いので、私はリモコンを手で隠しながらテレビの電源をつけたり消したりと遊ぶ
妹子は耳をピィン、と立ててテレビに釘付けになっていた。
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