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「ね、妹子」
「なんですか」
「愛してるよ」
軽快に微笑みながら言った太子の言葉に妹子は良い顔を見せなかった。
「なに？」
その反応に太子は首を傾げて相手を見つめる。
あどけなく唇を尖らせ妹子は太子をじ、と見つめていた。
「な、なんだよ」
「…別に」
「好きって言ったらダメ？私妹子が大好きだよ？」
眉を下げる太子に、妹子は苦笑いを浮かべると自分よりも大きなその体を抱き寄せて言った。
「そんな頻繁に好きだの、愛してるだの…言わなくていいんです」
「っ、？」
「だってそしたら、その言葉の価値が薄れてしまうでしょう」
大人しい声色で呟いて、妹子は太子に唇を重ねた。
触れるだけの短いキスはすぐに終わり、それと同時に妹子は
「愛してます」
そう囁いた。
滅多に聞かないその言葉に太子の表情は見る見るうちに赤く染まっていった。
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