飾磨秋那

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『飾磨秋那です』  久しぶりに聞いた高い声は、中学ではなく、高校の教室の中だった。  教壇から、俺の席の斜め前の席に迫って来る時の驚きと動揺は、今でもまだ鮮明に俺の中に残っている。  その時に俺に向けた微笑は、三年前よりオンナらしくなっていた。  ――四月の半ば、少し時期のずれた頃の転校生、飾磨秋那は……俺の中学時代の彼女だった。
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