エース復活なるか?

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   それから5年の歳月が流れた。倖田蒼空は高校生になった。難関の北陵高校の受験を乗り切り合格したのだ。 桜の花の蕾がついた枝のある校門を通り、蒼空は北陵高校の正門を歩いていた。蒼空の隣りには補欠合格した上園彰がいた。 「おい、やっぱり野球部に入るのか?」 上園は蒼空が何部に入るのか気になったのだ。 「そうだよ。そのために北陵高校に入ったんじゃないか?北陵野球部と言えば公立高では強いからね。今さら何を言うんだよ」 蒼空は上園の顔を見て言った。 確かに北海道の中では北陵高校の野球部は強かった。とは言え実力もあまりぱっとしない蒼空や上園が入ったところで、レギュラーになれる保証はなかった。 楽観的な上園はそのうち2年になり3年になればレギュラーになれる軽くと考えていた。 そして放課後になり蒼空や上園たち新入生たちはジャージに着替え、野球部のグランドにぞくぞくと集まってきた。 そして今年は例年になく新入生が多く集まっていたのだった。  
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