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歩実も蒼空に付き合ってアップを始める。ストレッチや柔軟体操がメインだ。それも広志が考えたメニューだ。メニューはピッチャー用の体操ということになっている。
「アップが終わったら、走り込みだ。ピッチャーはスタミナが基本だからな」
「はいっ」
広志は蒼空に声をかけると、竿を二本持って川の方へ向かった。
「あははは…お父さん、釣り始めちゃったね?」
歩実は笑いながら蒼空に声をかけた。
「うん、おじさんっていろんな趣味があるんだね?すごいなぁ」
蒼空に変なところで感心されてしまった。
「でもね、あたしたち子どもたちにしたら、遊んでもらえなくてつまらないのよ」
「一緒に行けばいいじゃん。釣りも面白そうだよ」
「釣りが面白い?うふふふ…男の子の発想ね。女の子にしたら退屈なのよ。一度行ったけどもうこりごり」
「おじさんもこりごりだろうね?」
「えっ?何か言った?」
歩実の言い方が怖く感じた蒼空は慌てて否定した。
「いや、何も言ってないよ」
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