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「おい、聞いてねえぞ。そんな入部テストするなんて、原田どういうつもりだ?」
三年生のエースの安藤は寝耳に水のだったのでびっくりして言った。
「あははは。気にするなよ。お前をテストする訳じゃないんだぜ。まあ、見てな」
安藤は引っ込むしかなかった。
「よ~し、まずは遠投からだ。赤松、お前体育教官室へ行ってメジャー借りて来い。おら、おら。もたもたするな!」
「うっす」
原田主将は足の速い赤松に命令した。
二年生の赤松大介は、体育教官室へ走って行った。原田主将は赤松が遅いと何を言い出すか分からないからだ。
「はぁ、はぁ、はぁ。持ってきました!」
息を切らしながら赤松が戻ってきた。
「おら、赤松。息が上がってるじゃないか?情けない」
原田主将は戻ってきた赤松にはっぱをかけた。
「すみません。鍛え直します」
赤松は申し訳なさそうに答えた。
「よし、大輝。お前、1年たちの球の飛んだ距離を測れ」
原田主将は赤松からメジャーを受け取り、同じ二年生の今度は佐野大輝に命じて言った。
「いや、俺が測ってやるよ」
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