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また別の日に蒼空が治療院に行ってみると、広志は農作業の道具を車に積み込んでいるところだった。
「青年よ、いいところへ来てくれた」
広志は笑いながら蒼空を迎えた。
「おじさんどうしたんですか?」
広志のいつもと違う口調に蒼空は驚いた。
「青年、ちょっと待っていたまえ」
蒼空の質問には答えず広志は家に入ってしまったのだ。
「おじさん…」
蒼空はそんな広志を呆然と見ていると、間もなく歩実と何か言いながら広志が家から出てきた。
「あたしは嫌だからね。そんな仕事はしませんよ」
「そんなこと言っても蒼空が来ちまったもんしょうがないじゃないか。蒼空には大切なトレーニングがあるんだから」
「トレーニングって言うけど、うまく蒼空君を使おうとしてるだけじゃない」
「そんなことないさ。足腰を鍛える重要なトレーニングだ」
蒼空は二人が何の話をしているのかなと思った。
「よし、蒼空。行くぞ」
「えっ?どこにですか?」
事情をよく知らない蒼空は広志に質問した。
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