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「ああ、本当だとも。おいらたちは毎年植えているから分かるでな」
「今からでも大丈夫ですかね?」
広志は心配になって老夫婦に聞いた。
「まあ、店に売ってる苗もおがって(成長している)いるから、今から買って植えても大丈夫だよ」
「そうですか?少し安心しました」
広志はホッとして言った。
「じゃけん、いい息子さんたちがいるから安心だね。おお、あんなに体力が余っているんかいのう」
蒼空の方を見てみると広志の言った通り大きく鍬を振りかぶり耕していた。広志はそんな蒼空の様子を見て苦笑した。
「お父さん!」
働かないで話ばかりしている広志に怒って歩実は言った。
「ほう、娘さんもおったのかい?」
「はい、まあ」
「年子だと年が近いから育てるのも大変でしたでしょう?」
「そうですね。大変でした」
蒼空を自分の息子と言われ否定しない広志に歩実は呆れてしまった。
広志が歩実の方を見ると、相当怒っているのが分かったので退散することにした。
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