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「……」
「行ってらっしゃい」
歩実が無言だったのに対し、蒼空は笑って見送った。
「ああ、お父さん。変わっちゃった」
歩実は広志が変わってしまって驚いていたのだ。今までの面倒見のいいお父さんはどこへ行ってしまったのだろう…
歩実は仕方なく蒼空が耕したところから石を取り除いていると、間もなく広志が帰ってきた。
「2人ともお疲れさん。ジュース買ってきたぞ。少し休もう」
「ありがとう」
蒼空は広志からアクエリアスを受け取って木陰に移動した。
「六月だというのにずいぶん暑いなあ?異常気象かな…」
広志は汗を首に巻いたタオルで拭きながら言った。
「……」
歩実は相変わらず無視を決めこんでいる。
「蒼空、地区大会はいつなんだ?」
「明日から始まります」
蒼空はアクエリアスを一口飲んで答えた。
「蒼空も試合に出たいだろう?」
「全然だめですよ。先輩たちがいますから」
蒼空は苦笑いしながら答えた。
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