投球フォームを完成させろ。

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「いや、いや。来年の今頃は甲子園で投げているかもしれないぞ」 広志は蒼空の高い能力を見抜いているのだ。 「二年生の中にもいいピッチャーはいますから」 蒼空は微笑んで言った。 「何を言ってるんだ。もっと自信を持て!」 自信のない蒼空についつい説教口調になる広志だった。 いよいよ地区予選が始まった。北陵高校は一回戦は突破したものの、二回戦で強豪の北海学園に当たり見事に玉砕してしまった。1‐11だった。 「あ…負けてしまった。俺たちの夏は終わってしまった」 原田主将は悲しいそうに言った。 「残念だったなあ。等星高校とだったら勝てたのに…」 赤松も一番バッターの役割を果たせずうつむいて言った。 点数は清原のホームランによる1点で、コールド負けを喫したのだ。自慢の安藤のストレートも北海学園の前では通用しなかった。 「来年は頼むぞ。一、二年ども!」 後輩に再起を頼む原田主将だった。  
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