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蒼空は大きく振りかぶる。左足を上げて鋭角に曲げる。続いて背中を打者に見せるように向ける。右手を大きく下げてオーバースローで広志のミットを目がけて投げ込んだ。
広志のミットに蒼空の投げたボールが吸い込まれ大きな音を立てた。
「出来たぞ、蒼空。これだ、このボールを俺は待っていたんだ」
広志はボールを受けるとミットを投げ出し、マウンドの蒼空の許に走った。蒼空の体を両腕に抱き締めて涙を流した。広志はとても嬉しかったのだ。
「おじさん…」
そんな広志の行動をびっくりして蒼空は見ていた。
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