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歩実は蒼空に話し掛けるタイミングを計っていたが、いつも蒼空の近くにいる上園が邪魔だった。
(上園君って言ったかな?いつも蒼空君にくっ付いてるわね…)
放課後になりいよいよチャンスが来た。クラスには倖田蒼空と歩実、それに上園しかいなかった。
歩実は意を決して蒼空に近づいた。
「蒼空にお客さんだと?さてはさっきの蒼空のプレーを見て…」
蒼空は苦笑しながら上園の話しを遮って言った。
「そんなんじゃないよ。だいいち、野球のテストはパッとしなかったじゃないか?」
上園は急いでカバンを持って教室を出て行った。
「なかなか可愛い娘じゃん。ではお邪魔虫は消えるよん」
意を決した歩実に蒼空が話し掛けてきた。
「君はさっきグランドにいた…」
「覚えてくれていたんだ?あたしは野球部のマネージャーになった秋山歩実です。あなたは倖田蒼空君でしょう?」
歩実が蒼空の名前を言うとキョトンとした顔をした。
「そうだけど。それで、秋山さんがぼくに何か用?」
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