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歩実はどう話を続けたらいいのか迷いながらも話し始めた。
「あの…いきなりなんだけど、あたしに付き合って欲しいの」
蒼空は明らかに面食らっている。複雑な顔をしているからだ。
「えっ、君に付き合うってどこへ?」
当然の質問だろう。しかし歩実は蒼空の手を取らんばかりの勢いで言った。
「とにかく一緒に来て。お願い!」
男の子を誘うなんて歩実にとっても前代未聞のことである。すぐに顔が火照ってきた。
「分かったよ」
蒼空がいいと言ってくれたので歩実はホッとした。
校門を出て歩き出したものの、会話しようにも何も話が浮かばない、歩実は困ってしまった。
「ねえ、島本さん。君は何組なの?」
その時、蒼空の方から話し掛けてきたので歩実はホッとした。しかし蒼空の質問は間の抜けたものだった。
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