エース復活なるか?

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「今のは75メートル!」 「75メートルか…最初にしちゃ、上出来だ。ほら、感心してねえで次はお前だ」 今度は蒼空ではなく、上園の逆の端にいた阿部が原田主将に指された。 「あっ、はい。1年6組阿部健です。あっ、キャッチャー志望です」 阿部は慌てて返答した。まさか次の順番が自分だと思わなかったのだ。 「やあっ」 阿部は気合いと共に勢いよく投げた…。 阿部の投げたボールは上園のところまでは届かなかった。 清原が身をかがめて測り始めた。 「え~と、64メートル」 「キャッチャー志望がライト志望に負けたぞ。キャッチャーは、やらせられるか分からんな」 原田は阿部に向かって言った。原田はなかなかの皮肉屋なのだ。そしていよいよ、蒼空の番がやってきた… 蒼空は青空の広がる空を見上げ深呼吸した。右投げから左投げに変更した蒼空にとって、遠投はかなりきついことなのだ。 (もう投げるしかない。まさか入部にテストがあるなんて。仕方ない…) 「1年3組、倖田蒼空。ファスト志望です。行きます」  
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