†お茶会†

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その事に気付いた私は笑顔でレンゲに抱き着いた。 「レンゲも……無事で良かった」 そっとレンゲの手に触れると怖がるようにビクッと引こうとしたけど、私はその手を取って握り締めた。 レンゲも安心したような笑みを浮かべて握り返してくれた。 レンゲもルリ君も、傷だらけではいるけれど、特に酷い傷や重傷はないようだ。 ほら、レンゲもルリ君もいつもどおり。 だから、何も不安になることなんか……。 そう言い聞かせているにも関わらず、私の心の内ではイモムシやアルデオ達に言われた言葉が刺のようにチクチクと痛めつけていた。 不安なんか……ない。 何度そう言ったって、頭の中に響いてくるみんなの言葉。 それを無視するように、レンゲの腕をそっと離してにっこりと微笑んでみせた。 それでも……痛みは拭いきれない。 私は、どちらを信じればいいの……? グッと二人にわからないように奥歯を噛み締める私を、グリフォンがじっと見つめていたことに私は気付くことも出来なかった。  
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