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「さてと!」
再会の挨拶が済んでから少し間を置いて、私は帽子屋のように口火を切った。
「そろそろ行く?」
確認するようなレンゲの声に頷いてから、グリフォンに振り返った。
グリフォンは既に人の姿に戻っている。先程とは少し違い、背中から翼が生えているけど。
眉間に皺を寄せてルリ君を見ていたところだった。私に気付き、そのまま顔を向ける。
ちょっと怖いけど……気にしない。
「グリフォン、ありがとうね」
「ああ、別に構わねぇよ。また審判する時に会うんだからよ、堅っ苦しい挨拶は止めてくれ」
「そ、そうだった……」
また審判されることを考えると少し憂鬱になる。
項垂れてから、ふと気付いてグリフォンにもう一度口を開いた。
「ルリ君が……どうかした?」
じっと見つめ合う二人に首を傾げると、グリフォンが物凄い険相で私を見た。
「あぁ? この糞インコが俺の真似してやがるからよぉ……」
声もドスが効いていて、激しく悪態をついている。
こ、怖い……!!
いつも以上に、怖すぎる!!
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