†お茶会†

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それに気付いて、もう一度水を掬って二人に思い切り突き出した。 「二人も飲んで! すごく美味しいから!」 「私もルリもよく知ってるから。気持ちだけ受け取っておくわね」 笑顔で頷くレンゲ。だけど、紫の瞳はとても澄んでいるからその言葉は本心のようだ。 「そっか」と私が呟く頃には手の中の水は零れ落ちてしまっていた。 もう一度掬おうと、方向転換して湖を覗き込んだ。 嗚呼、本当に綺麗だ。 とっても水も澄んでるし、美味しい。 所々、水面に葉っぱが浮いていたり木の実が沈んでいたりするけど、全く汚く感じられない。 そういえば、魚とかいないのかな。 そう思って、体をうーんと伸ばして湖の中心部分を見ようとした。 あ。やっぱり何かがいるみたい。 ゆらゆらゆらゆら。 水の中で何かが揺れてる。 ゆらゆらゆらゆら。 あれ。一ヶ所だけ、濁ってる。 ゆらゆらの辺り。 折角綺麗なのになあ……。 あれ? ゆらゆら揺れるあれ もしかして   ヒ ト の 腸……?  
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