†お茶会†

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下を覗き込むと、青々と繁っている森が広がっていた。でも、それは少しずつ途切れていて 「あっ!」 森の終わりの拓(ひら)けたところに、二つの小さな人影が見えた。 小さくて見えにくいけど、私にはすぐにわかった。 「ルリ君、レンゲ!」 声が聞こえたのか、二人は天を仰いだ。 やっぱり二人だ。間違いない!! 嬉しくて堪らなくて、涙が出そうになる。 無事でいてくれて本当によかったとグリフォンの毛をキュッと掴むと、グリフォンが肩越しに振り返った。 “アリス、これだけは言っておくが……あの花だけはあんま信用すんなよ” 「な、なんで?」 “ルリはともかく……あいつは元々『朧』だ。それをよくわかっとけよ。これ以上は『断罪人』として贔屓(ひいき)になるから言わねぇが” 至極当たり前の事を言われて、首を傾げた。 そんなこと私ですらわかっているのに、どうして今更? 「グリフォン、それどういう……。わっ!?」 もっと深く聞こうとしたのに、ガクンと急に高度を落とされて口を開くどころかしがみつくしか出来なかった。 まるでもう何も聞かれたくないと言うかのように……。  
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