†お茶会†

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「ルリ君っ!」 グリフォンが着地すると同時に、飛び降りて側まで来てくれていたルリ君に駆け寄った。 ルリ君は私の姿を認めると同時に、はにかんだように笑ってくれた。 「……アリス」 ポン、と少し大きな手で頭を優しく撫でられる。 「無事で……良かった」 たったの一言がどんな言葉よりも嬉しくて、私は何度も頷いた。 ルリ君も私を心配してくれていたのだと、胸がくすぐったいような気持ちになる。 続いてゆっくりと近付いてきたレンゲが、そっと控えめに口を開いた。 「私達のアリス……良かったわ、何事もなくて」 ほっと安堵の息をつく花の腕には、別れた時とは全く違う手袋がはめられていた。それでも私を怯えさせないようにする為か、その手は下ろしたまま。  
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