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「哀れだな、醜き魂よ」
電波塔の真下にいるのは人間のようで人間でない者。
外見は見るからに人そのものだ。
しかし、目は白目を向き完全に死んでいる。
そしておぞましいうなり声を上げている。
空腹なのか、本能なのか。
それとも・・
怯えているのか。
そんな光景を見下ろすハルはそっとその場から飛び降りた。
真下に風を切るようにして落ちる。
瞳の先にはアクマをとらえて・・
長く鋭く美しいその刀身は目の前の醜いヒトを真っ二つに割った。
その刀は自らの美しさをよりいっそう引き出させている。
しかしそこに落ちる一粒のしずくはその情景にひどく不似合いである。
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