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ジリジリとアスファルトが
焦げる音が聞こえるような、そんな暑い昼間に
僕、田中伸二は営業の売り込みでクーラーも効かない車の中で
渋滞に足止めをされていた。
本来、外回りは新人にさせるものであって僕のように
人見知りで事務をしているような正社員がする仕事ではない。
人手不足で仕方ないとはいえ
ため息が出るほど
僕には向いてないと実感した。
午前中、マンションをかたぱっしから回ったのだが
すぐに門前払い。たまに話しを聞いてくれるひとがいても
舌足らずで、説明下手な喋り方に相手をイライラさせてしまい
早々に追い出される。
さっきから、動く気配のない渋滞を見てると
自分は運にも見放されているらしい。
それでも、根気強く少しずつ会社に車体を進めて
つくころには2時をまわっていた。
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