200人が本棚に入れています
本棚に追加
「びっくりしたじゃないですか!」
いきなりのことに彼から物理的に数メートル距離を取り、警戒しているユウイ。
その様子を見た相模はひとしきりケラケラと笑って、引き笑いをしながら「もう、冗談だよ冗談。戻ってきなさい」と言って、遠くにいるユウイにもの凄くいい笑顔を見せ、手招きをする。
【相模 雪(サガミ ユキ)第三部隊隊長、至急会議室までお越し下さい。繰り返します、相模 雪第三部隊隊長――】
アナウンスが流れ、相模が口を押さえながらあくびをする。
「面倒だなー、定例会議……」
それを聞いてユウイが焦り始め、廊下を歩く鬼狩隊員達がユウイと相模の方をちらちらと振り返る。
「って、て、定例会議って午後五時からですよね!? もう六時ですよ! 一時間! 一時間も!」
相模は慌てるユウイの口に人差し指を置き、にっこり微笑んだ。
「最初からすっぽかすつもりだもん、俺」
そう言って、相模はユウイの肩に手を回し、いい笑顔のまま医務室の扉を開ける。
最初のコメントを投稿しよう!