第一章【隊長の、ヒミツ】

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「びっくりしたじゃないですか!」  いきなりのことに彼から物理的に数メートル距離を取り、警戒しているユウイ。  その様子を見た相模はひとしきりケラケラと笑って、引き笑いをしながら「もう、冗談だよ冗談。戻ってきなさい」と言って、遠くにいるユウイにもの凄くいい笑顔を見せ、手招きをする。 【相模 雪(サガミ ユキ)第三部隊隊長、至急会議室までお越し下さい。繰り返します、相模 雪第三部隊隊長――】  アナウンスが流れ、相模が口を押さえながらあくびをする。 「面倒だなー、定例会議……」  それを聞いてユウイが焦り始め、廊下を歩く鬼狩隊員達がユウイと相模の方をちらちらと振り返る。 「って、て、定例会議って午後五時からですよね!? もう六時ですよ! 一時間! 一時間も!」  相模は慌てるユウイの口に人差し指を置き、にっこり微笑んだ。 「最初からすっぽかすつもりだもん、俺」  そう言って、相模はユウイの肩に手を回し、いい笑顔のまま医務室の扉を開ける。
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